わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【前編】〜



「ん、そーだ、今思い出したんだけどよ」


と、UFOキャッチャーで私が取ってとお願いしたぬいぐるみを片手に、広樹が言う。


「うちの学校、出るらしいぜ~」

「出るって何がよ?」

「バッカお前、幽霊に決まってんだろ」


どうせそんなとこだろうなと思いながらぬいぐるみを受け取る。


UFOキャッチャーが得意な広樹は、お金さえ払えば取ってくれる。


今度はここあがお願いしているようだ。


「幽霊ね…佐久間がいるんじゃないの」

「ちょ、明美ぃ、怖いこと言わないでよっ!」

「あれぇ?真理ちゃん怖いんだ?」

「そういえば真理って怖がりだったっけ?」

「わかってるなら言わないでぇ!」


本気で涙目の真理に、広樹がさらに追い討ちをかけるように続ける。


「なぁ、行ってみねえ?学校」

「えっ…」


真理が、行くの?と不安そうな目で見てくる。


佐久間は昨日死んだばっかだけど、幽霊の噂はだいぶ前からある。


間違っても佐久間ではない…はず。



< 5 / 136 >

この作品をシェア

pagetop