わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【前編】〜
「ん、そーだ、今思い出したんだけどよ」
と、UFOキャッチャーで私が取ってとお願いしたぬいぐるみを片手に、広樹が言う。
「うちの学校、出るらしいぜ~」
「出るって何がよ?」
「バッカお前、幽霊に決まってんだろ」
どうせそんなとこだろうなと思いながらぬいぐるみを受け取る。
UFOキャッチャーが得意な広樹は、お金さえ払えば取ってくれる。
今度はここあがお願いしているようだ。
「幽霊ね…佐久間がいるんじゃないの」
「ちょ、明美ぃ、怖いこと言わないでよっ!」
「あれぇ?真理ちゃん怖いんだ?」
「そういえば真理って怖がりだったっけ?」
「わかってるなら言わないでぇ!」
本気で涙目の真理に、広樹がさらに追い討ちをかけるように続ける。
「なぁ、行ってみねえ?学校」
「えっ…」
真理が、行くの?と不安そうな目で見てくる。
佐久間は昨日死んだばっかだけど、幽霊の噂はだいぶ前からある。
間違っても佐久間ではない…はず。