わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【前編】〜
「………っ」
「………広樹?」
よく見れば、広樹も血塗れだ。
足の、多分腱が切られているのだろう…広樹は、ガクンとその場に倒れこんだ。
急所を狙った攻撃…智哉らしいと言えばらしい傷跡ばかりだ。
広樹の首からも血が流れているけど、生きてるってことはあまり深くはないと思う。
でも、私だけじゃ、広樹をこんなにした張本人に立ち向かえるわけがない。
どうしよう。
絶体絶命だ。
「………やめて智哉…」
「あはっ、やだよ…
明美も広樹も殺して、俺も死ぬ…
全員で、ここあのもとに行こうよ、ね?」
なにがね?よ…!
そんなの、ここあが望んでいるわけがないのに!
「………助けて…!」
「助けなんて来るわけないよ…
じゃあ…死んでよねっ…!」
「きゃあああっ!!」
智哉の包丁を持った腕が振り上げられたのを見て、思わずその場に蹲る。
あぁ、私はもうここで死ぬんだなぁ。
なんて思いながらその腕を見ていると…