わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【前編】〜
佐久間は心臓をグシャッと握り潰して捨てた後、私の隣で倒れている広樹を見据えた。
ベチャッと横から嫌な音がしたけど、流石にそれを見る勇気は無かった。
「……広樹は、生きてる……
連れてきたいなら連れてきて」
「え?」
それだけいって佐久間は、ぺたぺたと歩いて教室を出ていった。
「……うぅっ…明美……」
「広樹!大丈夫っ!?」
「あぁ…なんとかな…
右足は使い物にならなくなったが…他はかすり傷だ」
私の肩を借りてやっと立ち上がった広樹と、教室を出る。
暗い廊下の奥に、佐久間がこっちを向いて立っているのが見えた。
ぺたぺたと2、3歩歩いて、クルリと振り返る。
待ってくれてるみたいだ。
いつのまにかさっきまでうじゃうじゃしていた幽霊も居なくなって、ただ私たちの足音だけが響く。
やっと終わるんだ。
この地獄が、やっと終わる…。