わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【前編】〜
ゼツボウ
「はぁ…はぁ………」
「広樹、大丈夫…?
無理しないで…一回休む?」
「大丈夫…だ………っ」
息も切れ切れで相当辛そうな広樹だけど、どうにか頑張って私の肩にしがみついて歩いている。
「はっ……明美を守る、って…言ったのに…
情けねえな、俺っ……」
「そんなことない!
私は十分助けられたし…今私が生きてるのは紛れもなく広樹のお陰だよ…!
ありがとう広樹。
大好きだよ…」
「…………………あぁ」
横から、ふっと息をはく音がした。
こんな状態でも笑ってくれる。
友達は3人も失ってしまったけど、私には広樹がいる。
広樹と二人で、ここから出られる。
一人じゃなくて…大好きな広樹と。
そう考えると、心なしか周りの冷たかった空気が少し和らいだ気がした。