わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【前編】〜
佐久間は保健室を出たその足で職員室に直行し、私たちを手招きしている。
だけど、そこから私たちが五、六歩歩いた地点で広樹が呻き声をもらした。
「……明美…
悪い…そろそろ…………」
「広樹?大丈夫?限界?
少し休もうか?」
「………右足が…」
「右足?痛いのね?
佐久間、保健室には何もいないのよね?」
「………………」
佐久間がこくり、と頷いたのをみて、私は進路方向を変える。
「佐久間、ちょっと保健室によるわ。
広樹の右足…腱が切られているみたいなの」
広樹を保健室に連れ込み、近くのソファに座らせる。
幸いここにはきちんと包帯などの道具は揃っているようで、安心する。
「広樹…私手当てとかあんまりしたことないから上手く出来ないかもしれないけどごめんね…」
とりあえず、まだ血がだらだら流れているので包帯をきつめに巻く。