わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【前編】〜
私が必死で手当てをしていると、広樹が話しかけてきた。
「明美…ありがとな……」
「どういたしまして。
少しでも痛みが和らぐといいんだけど…」
「…………もし俺が死んでも、お前だけは生き残れ…絶対に」
「もう…どうしてそんなこというのよ!
一緒に出るんでしょ?
それで、私を彼女にしてくれるんでしょ?
楽しみなんだからね」
「………あぁ」
広樹はふっと笑うと、広樹の足元にしゃがんでいる私の肩に頭をのせてきた。
そして、耳元で囁く。
「………愛してる。
これからもずっと…死んでも愛してる」
「………私もだよ、広樹。
愛してる……」
そっと顔をあげた広樹と、初めてのキスをした。
少し甘くて…思わず笑顔になった。
それから恥ずかしくなってきて、はにかむようになってしまう。