わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【前編】〜
「明美は?なんもしねーの?」
……………そうね。
確か…夢の中で広樹を殺されたんだっけ。
それを思い出したら、無性に腹がたってきた。
「…………佐久間」
「ひっ……!」
「………無様ね」
「あ゛っ!!うっ………かはっ……」
いつか佐久間に言われた台詞を言い返しながら思いっきり佐久間のお腹を蹴ると、佐久間はトイレの奥の方まで転がっていった。
そこから息が詰まったような声が聞こえる。
「わ、明美、強烈!!」
「はははっ!!おもしれー!
よっしゃ、皆もやろーぜ!」
「広樹が本気で蹴ったら死ぬから気を付けてくれよ」
「智哉ぁ、それ笑えないよ~!
広樹くん、ちゃんと気を付けてねぇ!」
「わーってるよ!」
パシャパシャと水を踏む音が、私の横をすり抜けて佐久間に近付く。
そこからは、蹴って踏みつけて笑っての繰り返しだった。
よくも広樹を。
そんな感情と共にそれを繰り返した。