わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【前編】〜
確か、夢ではこのあと広樹は赤点を取ったはず。
私の行動次第で夢を変えられるのならいいけど…広樹は自業自得よね。
授業ずっとサボってるし。
「とりあえず教室戻りましょうか。
次の授業もサボるわけにはいかないしね」
「あぁ。広樹は赤点取りたいんだったらサボるといいよ」
「ぐっ…………わかったよ!受けりゃ良いんだろ!」
ううん、受けても無駄。
広樹は正真正銘のバカだから。
あ、真理もバカだっけ。
「あの…明美……」
「大丈夫、真理には教えてあげるから」
「やった!ありがとう明美!!」
「くそ……なんで真理は良くて俺は駄目なんだよ!」
「それは真理と広樹だからです」
「訳わかんねえ!どんだけ俺が嫌いなんだよ!」
………嫌いじゃないよ。
むしろ大好き。
出来ることなら、彼女になりたかった。
でも、あれは夢だから………。