わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【前編】〜



確か、夢ではこのあと広樹は赤点を取ったはず。


私の行動次第で夢を変えられるのならいいけど…広樹は自業自得よね。


授業ずっとサボってるし。


「とりあえず教室戻りましょうか。
次の授業もサボるわけにはいかないしね」

「あぁ。広樹は赤点取りたいんだったらサボるといいよ」

「ぐっ…………わかったよ!受けりゃ良いんだろ!」


ううん、受けても無駄。


広樹は正真正銘のバカだから。


あ、真理もバカだっけ。


「あの…明美……」

「大丈夫、真理には教えてあげるから」

「やった!ありがとう明美!!」

「くそ……なんで真理は良くて俺は駄目なんだよ!」

「それは真理と広樹だからです」

「訳わかんねえ!どんだけ俺が嫌いなんだよ!」


………嫌いじゃないよ。


むしろ大好き。


出来ることなら、彼女になりたかった。


でも、あれは夢だから………。


< 91 / 136 >

この作品をシェア

pagetop