わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【前編】〜
「智哉!」
「ん?あぁ、明美。
遅かったな」
「ええ…ってそれより先生にどんな理由言ったのよ?
仕方ないっていってたけど…」
すると智哉はにやっと笑って、秘密、というジェスチャーをした。
「あはは、秘密。
先生を騙すなんて俺にかかれば容易いことだよ」
「うわー、智哉悪い顔だわ……」
なんとなく、夢のなかでの狂った智哉と重なった。
もしここあが死んだら…本当に智哉は狂っちゃうのかな?
考えると、ゾッとする。
「あ、あの……」
「ん?あぁ、学級委員さん?」
「あ…はい」
なんだっけ。
夢の中でここあに呼ばれてた…メリー?
なわけないか。
メリーじゃなくて、えと…め…め…芽衣?
ああそうだ、確か芽衣って名前だったはず。
まあいいや、委員長で。
委員長が、私たちにプリントを渡してきた。
「…………なにこれ?」
「えと…担任の渡辺先生に預かったの…
渡しといてって」
「………そう。どーも」
渡辺先生…夢の中で佐久間が死んだって言ってたやつ。
多分私たちが佐久間をいじめてるのは知ってると思う。
でも、特に何も言ってこない無能なやつ。
前に一度「クラスにいじめとか、あったりしないか?」と聞かれた事があるが知らないと答えたっきり何も聞かれなくなった。