彼女。 (短)
何も思い付かなかった。



もともと何も言う気なんてなかったのに。



だけどこの胸の高鳴りを感じて、俺は勝手に確信した。



今が気持ちを伝えるときだ、と。





『おまえ好きなやつとかいないの?』




俺の急な質問に対してまりかは驚いた顔をした。




『え?』



目を丸くしたまりかに俺はさらに聞く。




『いるの?いないの?』




こんなにきつく聞いたらまりかは怖がってしまう…
でも緊張のあまり普通になんて話せなかった。



『い、いないけど…』




少し顔を赤くしながらまりかが答えた。




そして俺は



とうとう言ってしまった。




『俺と付き合ってよ』


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