彼女。 (短)
『実!!』



まりかが叫んだ。




俺はビックリして振り返った。




そこにはまりかが涙を流している姿があった。




いつも笑顔しか見たことがなかったから、初めてまりかの笑顔以外を…泣いてる姿を見て、俺は驚いた。





『嫌だよぉぉぉ!!別れたくないのにぃ!!私こんなに実が好きなのに…別れるなんて絶対嫌!!』




そぉ言ってまりかはしゃがみこんで泣きじゃくった。




『まりか?!』

俺は近寄ってまりかの肩を支えた。




『実が最近冷たくて…私何したか解らなくて、でも嫌われたくなくて…他の女の子と遊びに行ってもいいから…池田さんとキスしてもいいから…私から離れないでよぉ…!!』



まりかは泣き続けた。



俺も泣いていた。




声をだして泣いていた。




まりかが俺を好きだと言った。
こんな俺をまりかは…




二人で声が枯れるまで泣き続けた。



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