ウィルス
インターホンが切れてからしばらくしてドアが開いた。



「香苗!」





「由紀!」






香苗はずっと怯えていたのか制服姿のままだった。








「由紀!由紀!どうしよう!どうしたらいいの?これって舞が言ってた…」







どうやら香苗も気付いていたらしかった。







「香苗!落ち着いて、あれは、単なる伝説だよ!何も起きたりしないって!」








「だけど、舞は、舞は!」







「あれは…」








何か声をかけなきゃいけない…しかし、何とかければ良いのか分からなかった。








「舞は、私に来たメールの通りに…ねぇ!私、死ぬの?ねぇ!」







「香苗!死なないよ!死なせない!」






「由紀…」









自分に何ができるかは分からないが、ここで香苗を見捨てることは出来なかった。
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