ウィルス
「今日はウチに泊まんなよ?お母さんには私が言っとくから。」



「由紀…うん。ありがとう…」








今、香苗を1人にしてはいけない。

そう考えた由紀は香苗を自宅に泊める事にした。








香苗の母親は娘の行動を不思議に思ってはいたが、引き止めはしなかった。







由紀の家に向かう途中も香苗は終始怯えっぱなしだった。








「何で…何で私にこんなことが…」







「香苗…」








香苗は由紀の袖を掴みガタガタと震えていた。












「ただいま…」
「お邪魔します…」








由紀の家に2人があがると、由紀の母親がやってきた。








「あら?香苗ちゃん?」







母親は不思議そうに香苗を見ていた。








「お母さん、香苗、今日泊まるから。」






「え?えぇ…」









由紀のいつもとは違う口調に母親は一瞬気圧され、頷くしか出来なかった。
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