ウィルス
「警察とかに行った方が良いのかな…」






街を歩く中、香苗がおもむろに切り出した。





「言っても…動かないよ…多分ウチの親だって信じないし…」









開けば死ぬメール。









こんな都市伝説を聞かされて、信じる人間なんかいない。



現に、友人の舞がああならなかったら、2人も信じなかっただろう。








「そうだよね…」









香苗の表情が暗くなる。








「大丈夫だって、ユーレイがこんな昼間っから出やしないし、今日もあたしん家に泊まれば大丈夫だって。」








「うん。そうだよね。大丈夫だよね。」









由紀の話を聞いた香苗は、自分に暗示をかけるように、何度も何度も大丈夫と繰り返していた。









「香苗、何か食べに行こう?ちょっとお腹減っちゃった。」









2人はそれから、近くのファミレスへと入った。
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