ウィルス
母親は娘を気遣いいつもより長く起きていたが、時計の針がそろそろ12時をさそうとした頃、流石に眠くなってきたらしかった。








「由紀…お母さん、もう寝るけど…」





「大丈夫だよ。お母さん、私はヘーキだから…」




「そう?…何かあったらいつでも起こしなさいよね…」






「うん…ありがと…」







母親はまだ名残惜しかったのか、チラチラと由紀を見ながらリビングから出ていった。












1人になった。









その途端に、深夜のリビングが広く、そして、うすら寒く感じる。








部屋に響くテレビの音が何ともいえない不安を与えてくる。









由紀は耐え難くなり、テレビを切ると、急いで自分の部屋へと向かった。
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