知りたくなかった本当の気持ち

と、禿げた担任は教室に入ると呼び掛けた。


みんながつまらなそうにしながら着席し終えると、担任は話し始めた。





「よぉーし!新年初登校日である1日も、ここで終わりだ。


早めに気持ちを戻すこと。
明日からテストだからな。

気を抜いてられんぞ」



本当に長かったHRも先生のあの言葉が発せられた後、委員長が号令をかけて1日が終わった。



「じゃ、來奈ばいばーい。

ちゃんと仕事するんだよー」



なんて言う里桜は、私を待たず帰っていった。



里桜とは帰る方向が合わないから仕方ない。



「じゃあ私は後半の分、番号順に揃えるから前半よろしくね」


と委員長の大北君に言う。


「わかった」

と返事が来ると、教科の係しかいない教室で作業を始めた。



「よし、できた」



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