知りたくなかった本当の気持ち
「じゃあ帰ろう」
風磨君の言葉でこの土手から離れた。
それから風磨君が楽しく話をしてくれた。
さっきの深刻な雰囲気を思い出せないくらい、日常の話をして私を楽しませてくれた。
「じゃあ私、こっち方向だから」
「おう。
今日は付き合ってくれてありがとう。
またな」
そう言って私たちは別れた。
「え...」
家の門の前につくと、自然と足を止め小さな声が漏れてしまった。
「お前の帰り、ずっと待ってたんだぜ」
若王子 康弥 ヤスヒサ side
ったく。俺は何やってんだろ。