知りたくなかった本当の気持ち
と、突然教室内が騒がしくなった。
「ちょ!來奈!」
彼の登場で激しく私の肩を叩く彼女。
私は若王子を見て、咄嗟に昨日のことを思い出してしまった。
自然と手首を見てしまう。
すると目の前が暗くなった。
何?と思って恐る恐る顔を上げると...。
そこには仏頂面の若王子がいた。
彼は何も言ってないのに、体が勝手に動いた。
目が合ってる時点でアウトだと思い、私は席から立ち上がり教室から出ていった。
案の定追いかけてきた彼。
教室に入ってきたっていうことは、やっぱり私に用があったってことなんだ。
私はワークスペースにある椅子に腰かけた。