知りたくなかった本当の気持ち
それに若王子自身、諦めてるのかと思ってた。
昼休み、ふて腐れて教室に戻っていってたから。
「お望み通りにしようか?」
いつものお返しのように、私は若王子に高笑いのような表情をした。
「行くぞ」
私の言ったことを無視して、玄関に向かっている。
はいはい、そうですか。
無視するんですか。
仕方ないなと思い、私はそのまま彼の後ろをついていった。
「この前アイツとどこにいたんだよ」
無言を校門から出るまで貫いた彼は訊いてきた。
アイツ?
「え、誰のこと?」