知りたくなかった本当の気持ち
あろうことか來奈はそんなこと言って、物音を立てている。
こいつまさか、俺を置いて帰るつもりだな。
俺はちょうど今來奈の方を向いてないから、ものすごい勢いで目を開けた。
なんか一気に機嫌を損ねた気がする。
体を起こし、プリントを片付け始めた。
「あ、起きたんだ」
起こし方に文句を言ってやろうと、來奈の方を向いた。
「…………」
だけど何も言えなかった。
彼女の雰囲気がいつもと違ったから。
俺は一瞬自分の動きを止めてしまった。
「おい、どうしたんだよ」
俺は疑問に思ったため、彼女の顔を覗き込むようにした。
「やっぱおまえ、顔あけーぞ?
勉強しすぎで、知恵熱でも出たんじゃねぇんのか?」