知りたくなかった本当の気持ち

と言った広井くんは、私に先ほど配られた紙を渡した。


言い返すことがなかった私に対し、彼はせっせとドアをガタガタ言わせながら、調子を見ている。




数分すると。



「よし、これでOK。

スムーズに開けられるようになった」



しっかりした彼の活動ぶりに、少しだけキュンと来た私だった。



「お、生徒会か?

ドア直してくれたんだな。


サンキュー」



帰ろうとした3年生の男子が、私たちにそう声をかけてくれた。



「また開けにくくなったら担任の先生に言うか、生徒会の方に意見として出してください」



と3年生に言い返した広井くん。



歩き出した3年生を見た私たちは、次の作業に取りかかることにした。







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