知りたくなかった本当の気持ち
やばい…栗橋さん、目が本気だ。
「とにかく、私は邪魔してるつもりはないから。
寄って来るのも向こうだし。
私と若王子が話しているのが嫌だったら、あんたたちでアイツを引き止めててよ。
そうしてくれた方が、私は助かるからさ」
と私が軽やかに言うと、昼休み終了を告げるチャイムが鳴った。
だから私は壁に寄りかかっていた体を起こし、空き教室から出ていった。
栗橋さんの顔がものすごく歪んで、私の悪口を言っていたのも知らずに。
そして私はというと。
胸を手で押さえながら、教室に戻っていった。
栗橋さんの言葉に、私の昔の心の傷を抉られたからだ。