知りたくなかった本当の気持ち
「あとで言うよ。
いいねぇ來奈は。
あんな人に想われて」
何て言うと、里桜は席に戻っていった。
どういうこと?
若王子が私をどう思ってるの?
…なんか嫌な感じしかしない。
それから午後の授業はあっという間に終わった。
「來奈!
絶対康君と仲良くするんだよ!
冷たいことを言ったら、あたしが許さないからね」
帰りの支度をしていると、ものすごい勢いで里桜が迫ってきた。
「え、何でよ。 ん?どうしたの」
昼休みに何を言われたっていうの。
「あんな皆にモテるほどのルックス持ってるし、性格もイケメンだし!
そんな存在の人が、來奈一人に振り回されるなんて可哀想よ!
康君は幸せになるべき人間よ。
そしてその幸せを与える人間は、來奈あんたなんだからね」