知りたくなかった本当の気持ち

「あとで言うよ。


いいねぇ來奈は。


あんな人に想われて」



何て言うと、里桜は席に戻っていった。



どういうこと?


若王子が私をどう思ってるの?


…なんか嫌な感じしかしない。




それから午後の授業はあっという間に終わった。



「來奈!

絶対康君と仲良くするんだよ!

冷たいことを言ったら、あたしが許さないからね」



帰りの支度をしていると、ものすごい勢いで里桜が迫ってきた。



「え、何でよ。 ん?どうしたの」


昼休みに何を言われたっていうの。




「あんな皆にモテるほどのルックス持ってるし、性格もイケメンだし!


そんな存在の人が、來奈一人に振り回されるなんて可哀想よ!



康君は幸せになるべき人間よ。


そしてその幸せを与える人間は、來奈あんたなんだからね」



< 199 / 444 >

この作品をシェア

pagetop