知りたくなかった本当の気持ち

「え、何來奈。


今月まだ始まったばかりなのに、もう金欠疑惑?」



ズバッと指摘されて、恥ずかしい。



「だからー、私んとこのお小遣い日は、10日なんだって!


それに今月は冬休みが終わっちゃったから、心配だったの」



「またお菓子でも大量に買ったの」



「......」


里桜の言葉に素直に反応できなかった。



校門を出ると、里桜は言った。



「來奈ん家は金持ちなんだから、満腹になるまでご飯食べればいいのにー」



「なんか...父さんが怖くてね」



「あー。 それは仕方ないね。

昔からだよね」



そう。

私は父さんが怖くて、よくなお兄を連れだして公園に避難したことがあった。




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