知りたくなかった本当の気持ち
ガンガン痛む頭に、意識は戻った。
「大丈夫かよ!?」
「…あんたに、心配されたくない」
ぶつけた頭を押さえながら言う。
「そんなこと言うなよ。
今すっげぇーでけぇ音したのに。
普通心配するだろ」
とか言って彼は近づいてくる。
頭を強く打ったから、痛みのあまり行動しようと思ってもできない。
だから大事そうに私の頭を包んで撫でる若王子を、振り払うことができなかった。
だけど意地でも彼を振り払おうとする。
「動かないでおとなしくしてろ。
何もしないから」
なんて優しい声を出される。
そんな声出されたら、私だって…
動きを止めてしまう。