知りたくなかった本当の気持ち
「來奈!?
おい!コイツ熱中症になってるかもしれねぇ!
今すぐ病院に連れていってあげろ!」
若王子の言葉を無視して、自分の意見を伝えようとする。
「病院は…嫌だ。
少し休んでたら、大丈夫だから…」
とは言うものの、風磨君に預けている体を起こすことはできない。
「影野‼
ペットボトル持ってたよな!?
それに水入れて、昇降口まで持ってきてくれ」
風磨君が一緒にいた友達に言ってる。
「ちょっとごめんな」
私に近づいた風磨君は言う。
そして私の腕や肩を触って…
私をおぶった。
「もうちょっとの辛抱だからな」
私は安心したのか、意識を手放した。
しかし私は意外とすぐに意識を取り戻した。
「あ、わりぃ…」
私の目には、男子が3人私を囲んでいるのが見えた。
そして風磨君が私に水を飲ませようとしていた。