知りたくなかった本当の気持ち
傷ついていく心
「……何で?
メール見てなかった?」
私は待ってくれていたんだ、とは言わずにただ問い詰める。
若王子は似合わないのに、私を待っている最中読書をしていたんだろう。
今本を鞄に入れている。
「見たよ。返事もした。
お前こそメール見てねぇんじゃねーの」
その彼の言葉で私は鞄からケータイを取り出す。
電源を入れて起動させる。
なかなか起動が終わらないため、何もできない。
「お前さ、俺のメールを無視するとか生意気すぎ。
他のヤツなんか、俺から返事を貰おうと必死なのにさ。
ちょっとはありがたく思えよ」
他のヤツって?
返事してあげないんだ。
ヤなヤツってことじゃん。