知りたくなかった本当の気持ち
「メール無視するタイプなんだ。
しかもわざと。 相手は返事を求めているのに。
ならメールする意味無いじゃん」
「だってよー。
同じような女に、似たような返事を何件もするの、疲れるくない?
だけどお前なら!
俺はちゃんと返事してやるよ」
コイツ最低だ、と思ったけど…
後半の言葉で、一瞬私はどのように捉えれば良いのかわからなかった。
そして丁度その時にケータイは無事立ち上がった。
だから若王子の言葉に、答える必要性が薄れた。
それに意外と近くにあった顔も、離れていった。
《わかった。
じゃあ俺は待ってる》
そう返信されていた。
私はそんな彼の返事に、ケータイを持っていた右手をタランと垂らす。
もちろん顔もあげない。