知りたくなかった本当の気持ち
「どうした?」
一瞬両手を震わせてしまった。
若王子の言葉で、我に返る。
「ほんと、アンタってワケわからない人だよね」
「は?
どういうことだよ」
彼の質問に私は早く答える気はなく、もう一度ケータイの画面を覗く。
一度戻るボタンを押すと、未読メールがまだ残っていた。
……父さんからだった。
《近々お前には、会社の人と交際をしてもらう。
心の準備をしておけ》
私はこの文を見て、暫く動けないでいた。
「どうしたんだよ‼」
若王子の声で、どこかに行きかけていた魂が戻ってきた。
「え? あ…。
何で女の子皆、平等に扱わないの?
そういうことかな」