知りたくなかった本当の気持ち

私は若王子にテキトーに答える。


そして父さんに返信をした。



《詳しいことは後で聞きます。

そして交際するかどうか考えます》



それ以降、父さんからメールが来ることはなかった。



私の気持ちなんて気にしないで、あんなこと言える父さん…。


忘れていた。



「行くぞ」



確かに今の私には付き合っている人はいない。



好きな人は……いないかもしれない。


だけどこうやって強制的に、付き合うようにされるのは嫌だ。



「來奈!行くぞ。
俺を無視るな」



掴まれる左手。


私は振り払ってしまった。



チッ。


聞こえる相手の舌打ち。



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