知りたくなかった本当の気持ち

私が防御体勢に入ったのにも関わらず、彼は攻めてくる。



「なにお前、もう忘れたの、この前の事。


声を震わせながら 助けて って言ってたくせに。


自分の都合の悪いことはなかったようにするんだな」



嘲笑うように喋る彼は、まさにあの時のようだ。


戻ってきちゃったよ、小学生の頃の若王子康弥が。



私を人として見ない風格。



怖い…。


私はあの時と一緒で、何もできやしない。



全然成長してなかった。



これ以上反論もできないため、ただ私は下を向いているだけ。



彼の怒りが鎮まるのを、私はひたすら待っている。



どうして…。 私だけこんな辛い目に遭わないといけないの。



若王子の嫌がらせや、栗橋さんの妬み、家族内での出来事…。



そして襲ってくる若王子からのいじめの過去…。



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