知りたくなかった本当の気持ち
父さんの言いなりになるのはシャクだけど。


相手方も父さんに強制されているかもしれないし。


最初から望みを捨てちゃいけないよね。



「ねぇあたしさ。
最近思うんだけどね」


「どうしたの?」


おちゃらけた感じで話していた里桜が、真剣な表情に戻る。



「康君、最近元気無くない?」


「へ?」


真剣な表情をされ、若王子の名前を出され。


私はフォークに刺したハンバーグを落としそうになる。


若王子の名前を出されたからか、最後に会った時の事を思い出す。




…そうだ、私。

あの時…。



< 288 / 444 >

この作品をシェア

pagetop