知りたくなかった本当の気持ち

しかし自分の気持ちの変化にはすぐに気づかなかった。


彼の態度の変化の後で気がついた。



こんなこと訊いたら、私が辛くなるってことに。



そう思えてきたら、自然と目頭が熱くなってきた。



「ごめん、今の質問は忘れて」



私はそう言って逃げるようにこの場を去った。




わかりきったことなのに、何で言葉にして相手に確認させるようなことしたんだろう。



若王子は...。私のことなんて目障りとしか思ってない。



だから小学生の時、あんなに罵声を浴びさせたんだよ。



周りを巻き込んで。



私は若王子の中にいちゃいけなかったんだよ。



家の前につく。


時計を確認すると、18時過ぎを示される。



本当はもう少し早く帰らないといけなかった。



そうにもできないのだ。


この行事は。


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