知りたくなかった本当の気持ち

この様子にふっ、と吹き出す彼。
 


 「來奈ちゃんって、社長や奈歩さんに寄らず、可愛いね。


  やっぱり女の子だからかな」



クスクス笑っている彼に、またときめいてしまう私。



決めた。   私この人でいい。



この人とこれから人生を歩むんだ!



私は心の中でそう叫んだ。



「社長から言われたんだけど、俺の部屋は奈歩さんの部屋なんだって。


だから奈歩さんの部屋は、自由に使わせてもらうよ」



と言われる頃には、神崎さんの表情は真剣になっていた。



父さんが神崎さんに、兄さんの部屋を使わせるのか...。



兄さんの居場所が無くなっちゃうんだ。




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