知りたくなかった本当の気持ち
「渡瀬、はよー!
ん?
何で秦野顔赤くなってんだ?」
窓側にある里桜の席。
そして6月ということで気温もそこそこ上がる。
廊下側の窓は開いているため、廊下を歩いている人は私たちの教室を覗くことが出来る。
だからか風磨君は里桜に声をかけた。
「聞いてよ、風磨~!
來奈ったらねー、可愛いんだよ~!」
と言う彼女は、ニヤつきながら風磨君に今の会話を事細かに話した。
「え、やめて!!
ダメダメ、絶対言わないで~!」
私が止めに入るが、里桜は軽く私を振り払う。
そして私の赤く変化した顔を見た彼は、不思議そうに里桜の話を聞いた。
あ、ダメだ。 もう。
私は今からもっと恥をかくことになる。
「へぇ~!そうなんだ。
確かに秦野、かわいいなぁ。