知りたくなかった本当の気持ち
「はぁ」
なぜか授業中、ため息をついてしまう。
若王子にさっきの光景を見られたから?
自分に訊いても、いまいちな反応しかしない。
でもきっと彼が原因なんだろう。
それしか思い当たる節がないから。
そう開き直りながら、今日は授業を受けた。
聞き入れる授業があれば、朝の出来事や昨日の事を考えてしまう、今日1日だった。
「ねぇ來奈!
昨日の事聞かせてよ。
もう少しで風磨も来そうだし」
私が帰りの準備をしていると、こうやって怪しい笑みをする里桜。
ようやくこの彼女の対応になれた気がする。
「え、風磨君にも聞いてもらうつもりなの?!」
「だって朝、一言しか言えなかったし。
風磨もあれだけ言われても、わかんないと思うし」