知りたくなかった本当の気持ち
意味のわからない里桜の言葉に、私は理解できない。
だが彼女自身はそうやって言い聞かせているようだ。
「まぁいいや。
來奈、今日は帰さないからねー!」
里桜がまた怖い顔してる。
ホントに恋ばな好きなんだから。
「帰りたいよー!」
私は面白半分で笑いながら返事をした。
だが里桜は何も言わず近くにある椅子をこちらに向けて座った。
「どんなイケメンだったの?」
何を言っても最終的には、全て話してしまうんだろうと思い、私は観念して話始めた。
「やっぱりね父さんの近くで働いてるだけあって、すごく礼儀正しかったよ。
性格も良かったし。
それに一番グッと来たのは、大人の余裕を見せられた瞬間かな?」
「へー。
良いな、そんな彼氏。
大人の余裕ってどんな感じなの?」