知りたくなかった本当の気持ち
だけど里桜はその事に触れて来なかった。
昼休みになると里桜と机を並べ、弁当を食べる。
「來奈...
何かあった?」
食べ初めて間もない頃。
里桜は私に聞いてきた。
彼女が私の異変を聞いてくるのは、想定通りのことだ。
答えを用意しようとしたけど、最も適当な答えが見つからなかった。
だからいつものような感じで答えることができなかった。
「何かって?
特にない...よ」
嘘をついた。
昨日里桜は、何でも言ってきて
と言ってくれたのに。
言えなかった。