知りたくなかった本当の気持ち
今から思う自分の考えを言うのが怖い。


だから上手く言えないかもしれない...。


「それって...

独断でしょ?


だから尚更無理なんだ」


「お願いだ!

あの時の事を許してくれよ!

俺は何だってするから」


彼の気持ちが痛いほどわかる。


そして今度は彼が私に頭を下げている。


私より深々と。



私はそんなことされても、考えを変えることはできない。


そう思って私は彼の両肩に手をつけ、顔を上げさせようとする。



柔らかく微笑む私は、彼と少し距離を取る。



「怖いんだ。 


またあの目に遭うのが。


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