知りたくなかった本当の気持ち
案の定目の前の男子にぶつかってしまった。
私とその男子が倒れ、持っていた紙がその場に散らばった。
「すいません。
私の不注意のせいで...」
紙を拾おうとその男子と離れる。
「久しぶりだな、來奈」
すると彼はそう言ったのだ。
さっき顔を見たけど、知らない人だと判断したのに。
え、私のこと知ってるの?
疑問を持ちながら、顔を上げた。
やっぱり私の知らない人。
でも何で私の名前知ってるんだ?
紙を拾いながら考える。
「無視かよ?」