知りたくなかった本当の気持ち
だからまだ彼氏ができたことは一度もない。
「別れちゃったら意味ないの。
來奈も好きな人に告白しなよ~」
私はこの里桜の言葉に笑って返すことができなかった。
「私は...告白できなくなっちゃってるんだよね。
ほら里桜には一度話したことあるでしょ?
小学生の時に私をいじめてた、大嫌いな男子のせいでそういうのは臆病になったって」
そう。 今はここにいないけど、私には大嫌いな男子がいたのだ。
なお兄のことをネタに、いつも私をいじめてきたアイツ。
「転校したんだっけ、その人」
里桜には少しだけ話したことがある。
私からその人の話をして、深入りさせてない。
「うん。
ホント、小学生の時はアイツがいるだけで地獄だったよ。
いなくなって清々してるよ」