知りたくなかった本当の気持ち


そして私は少し寝てから、晩御飯を食べたり、風呂に入ったりした。



風呂から出て部屋に向かう。


ベッドに腰掛けて十分に乾いてない髪の毛を、タオルで優しく撫でる。




『お前、生意気。

兄ちゃんいないと、何もできないくせに!』



小学生の頃、そう若王子に言われたことを思い出してしまった。


それで長い私の髪の毛を掴んだんだ。


もう片方の手にハサミを持って。




私の言う言葉なんか聞いてくれなかったアイツ。



『これも邪魔。


もさもさして。見ててうっとうしい』



そう言ってアイツは、女の子にとって大事な大事な髪を切ったんだ。




その行為に怒りが募ったり、涙が堪えきれなくなったり。


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