知りたくなかった本当の気持ち
「え? 別にいいけど。
...うん」
里桜が困惑するのも悪くない。
彼女とこんな深刻なシチュエーションに合ったのは、初めてだからだ。
「そんなに固くならないで!
ただ里桜に話しておきたいことがあるから!
昨日里桜は私のこと、心配してくれてたでしょ?
その事について、じっくり話したいから」
「そっか...」
ちょっと気が緩んだ里桜。
「それに里桜が気にしてる、過去の話もしてあげるから」
「ホントに!?」
里桜が一番私の話に食いついてくる、若王子の事。
アイツの素性、ばらしてやるんだから。
「うん。でも全部は話せないと思うけど。
あ、放課後生徒会の仕事あるから、ちょっと待たせるかもしれないけど、いいかな?」