知りたくなかった本当の気持ち
これから起こることなんて、抽象的にわかる。
「やめ...て!」
私が体を必死に動かして、相手に抵抗する。
「いいねー、その感じ。
俺、來奈のそういう所好きだったな。
必死に俺から逃げようとしてるのに、全然力が敵ってない所。
これからが楽しみだよ」
怪しい笑いを浮かべる若王子は、まだ私を解放させる気はないみたい。
この醜態を楽しんでるみたいだ。
そして私の状態は...もう泣きそうだ。
こんな圧迫されて、これからの嫌なことを予告されて、平気なわけがない。
そう思ってたら、突然手首が軽くなった。
意外にもこいつは、私を離してくれたみたいだ。
気が抜けたのか、私はその場で腰を抜かした。
「これくらいでへたれこんでたら、これから耐えていけねーよ」