知りたくなかった本当の気持ち

「ごめん...。


...ちょっと時間ちょうだい」



小さな声でそう言った。



⦅ホントにごめんね⦆



里桜の言葉が胸に刺さるのは、気のせいだろうか。



「ちゃんと教えてくれてありがとう」



私はそれだけを言って、里桜との電話を切った。




ケータイ電話をスリープモードにして、脱力しながらそれを置いた。



そして私は言い聞かせるんだ。



里桜は何も悪くないって。



メールアドレスを教えてしまったのは、ただの事故なんだから。



すぐに変えればいいことだけど...



アドレス変更通知を送るのが面倒くさい。



できるだけ親に連絡とりたくないし。




< 89 / 444 >

この作品をシェア

pagetop