知りたくなかった本当の気持ち
若王子は登録しとけなんて書いてるけど...。
やりとりし合う会話もなさそうだから、登録しないことにしとこ。
私のデータに、コイツを入れたくないし。
嫌いな人の名前なんて、見たくもないし。
私はそのまま電源を切ることにした。
「來奈さん」
ノック音が聞こえ、私の名前を呼ぶ声が聞こえた。
私は立ち上がり、部屋のドアを開けた。
「どうしたんですか」
「ディナーの用意ができました。
今日で家族とご飯を食べられますと、今度またいつ一緒に食べられるかわかりません。
さぁ、リビングに行きましょう」
家政婦は私にそう言って、先に進み始めた。
「先に行ってて下さい。
すぐに行きますから」