知りたくなかった本当の気持ち
最初は兄さんもかけてくれてたけど、いつの間にか何も言ってくれなくなっていた。
「大丈夫ですよ。
母さんこそ、二人をしっかり支えて頑張って下さい」
中途半端に体を母さんの方に向かせて言った。
暗い目に少しだけ入った母さんの姿は、明るかった。
彼女の柔らかな笑みが、私の目を少しだけ明るくしてくれた。
私は部屋に戻り、ケータイに電源をつけた。
あ。そういえば若王子に返信してなかった。
初めてメールくれた人を無視するのは、人間的にも悪いよね。
そう思って私は返事の文を打った。
〖よろしくするつもりは、全然無いです。
勝手にアドレス聞き出さないで下さい〗
絵文字もない、ぶっきらぼうなメールを送った。
数分すると、若王子から返事が来た。