知りたくなかった本当の気持ち

家で自由にしたい放題だ。


何時に起きても、何も言われないし。



私は部屋から出た。


そして高校卒業するまで使っていた、兄さんの部屋に入った。



今はもう彼の物置となって、部屋は別の場所となってしまったけど。



仕事がしやすい所に移ったみたいだし。



こうして無断で兄さんの部屋に入ったのは初めてだ。



こんな日が来るとは思わなかった。



兄さんがあんな風になって、私が彼と距離を置くようになる。



ずっと仲良しでいられると思ってたのに。



元彼の部屋は、私が幼い時に楽しかった思い出を思い出させてくれる。



それが嬉しいようで、辛い。



だけど...今は何だか優しかった兄さんの跡が残っている。



それを忘れたくない。



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