「俺」は超能力者!!
そして、お昼になり、僕たちは食堂で昼食を食べていた。
「うわぁ…眼鏡チビがいる。」
「しかも、デカ地味子もいるじゃん!」
いつも、僕の近くにわざと座るクラスメイトが騒ぐ。
だが、カツ丼を食べているララは動じない。
「てかさ、何であんな庶民と同じクラスなワケ?最悪〜!」
「さあ?知らないわ。狭いツテで頑張ったじゃないのかしら?」
「ちょっと〜!聞こえるって!」
下品な笑いで同類の仲間と大声で笑う。
不愉快極わりない。
「大丈夫よ!チビはもちろん、外人に日本語は通じないわよ〜」
どんな偏見だ…聞いて呆れる。
そもそも、さっき、担任の日本語の指示に、その外人とやらが理解したことがわからないのか。
そんな事を思っていると、深い溜息が出た。
ガタッ!!
突然、椅子から人が立ち上がる大きい音が響き、食堂が静まり返った。
そして、彼女は動いた。
悪口を言っていた女子が一気に青ざめた。
それは無理もない。
相手は自分の身長より上の者。
その力は未知数だ。
彼女はどんどん近づいて行く。
僕は息を飲む。
しかし、僕の予想は大いに外れ、彼女は3人組を通り過ぎ、後ろにある注文口に向かっていた。
「カツ丼、オカワリ、クダサイ。」
自分が食べていたカツ丼をおかわりしに行っただけだった。
事の次第に、注文口にいたおばちゃんが呆然とする。
「ん?もしかして通じない?えーと、カツ丼クダサーイ!…いや、違うな。カツ丼クダサーレ?」
困惑した顔で、怪しい日本語の注文を取り始めた。
「「「全然日本語しゃべれるじゃねぇかっ!!!」」」
思わず、僕含め、あの3人組も叫んだ。
「いや、日本語なんて、しゃ、…シャベレナイアルネ。」
ララはしれっとした顔で応えた。
「あの…カツ丼のおかわりはどうするんだい…?」
おばちゃんが恐る恐る注文を確認する。
「あー…やっぱ、いいや。ごめんな。おばちゃん。また、今度にするわ。」
ララは喋れないはずの日本語で、おばちゃんに断りをいれ、そそくさとララは食堂から逃げて言った。