「俺」は超能力者!!
サイフを忘れたので、ナルに昼メシをおごってもらった。
あ。そうそう。ナルは「鳴夜」のナルだぞ。
それにしても、カツ丼うまい。マジうまい。
隣のナルを見る。
あれ?全然食ってないなコイツ。
今時の若いモンはいっぱい食わんとダメだ!
そんな呑気な事を考えていると、さっきから、ずっと俺らを笑う奴らの声が聞こえた。
「てかさ、何であんな庶民と同じクラスなワケ?最悪〜!」
おい。そこで止めとけ。
「さあ?知らないわ。狭いツテで頑張ったじゃないのかしら?」
「ちょっと〜!聞こえるって!」
うん。はっきり聞こえてるぞ。
「大丈夫。外人だから日本語は通じないわよ〜」
いや、通じてる。
はあ…よく、人の悪口を本人の目の前で言えるな。
相当、自信があるわ。
自身がイラついていたこともあり、行動に出る。
よし。あの群衆を黙らせるか。
そう思ったら、行動は早かった。
ガタッ!!
大袈裟にイスから立ち上がり、ズカズカとアイツらの横を通り過ぎた。
その時の3人組の表情ったら、吹き出しそうになるのを必死に堪えた。
例えるなら、鳩に豆鉄砲ってカンジだな。
ぷふふっ…!!
ただ、カツ丼のおかわりしにきただけなのにな。
おかわりの器を片手に、注文口のおばちゃんに話しかけた。
つい、日本語で。